カミーユ
絵が好きですが、彫塑とか彫刻、も好きです。
かと言って、いろんな作家に詳しい訳ではなく、ただひたすらミケランジェロの[ピエタ]に感動したり、頭部や肉体だけで人間の苦悩や哀しみを表現するロダンに感服して眺めるだけだったので、「カミーユ・クローデル」という女流彫刻家を知った時は衝撃を受けました。
ロダンの弟子であり、愛人であり、優れた彫刻家。
そして、フランスの有名な詩人「ポール・クローデル」のお姉さん。
もう30年も前、ようやく日本でも、朝日新聞社主催の[カミーユ・クローデル展]が開かれ、私達も観にいきました。
そして翌年、フランス映画の[カミーユ・クローデル]も封切られ、やっぱり観にいきました。
そして30年の月日が経って、なぜか又映画が…
今度はカミーユではなく、ロダンに視点を当てた[ロダン カミーユと永遠のアトリエ]という映画が土曜日から封切りで。
昨日観てきました。
ウーン、どうもあの時代だから?
フランス映画だから?
実際の二人がああゆう風に苦悩する芸術家だったから?
どちらの映画も同じ雰囲気だったなあ。
暗くて(^^;;
前作は若き日の美しいイザベル・アジャーニの渾身の演技でいろんな賞をもらったり。
でも、今回の女優さんの方が実際のカミーユの感じなのかも?って思ったり。
彼女の生涯は本当にドラマチックです。
まだまだ「男社会」だった頃の彫刻の世界。
ロダンへの愛と憎しみ、自身の芸術と世間の認識との葛藤、いろんな苦悩が彼女の精神を混濁させ、晩年の30年もの間、精神病院で過ごし、その間いっさい 制作することを拒否…
残された作品はどれも凄いです。
時代が違ったら…
ロダンの陰に隠れなかったら…
女の人ってやっぱり不当な扱いを受けることが多いかも、です。
興味があるな、なんて思われる方、ゆう風舎の絵本図書館の「フランス」という棚に本があるので、作品じっくり観てみてください。
北斎の[冨嶽三十六景神奈川沖浪裏]をヒントにした作品とかもありますよ。