伝えたい本

2018年2月11日(日) ブログ
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写真は丸木夫妻と共に[みなまた 海のこえ]という絵本を作られた頃、若い日の石牟礼道子さん。 
亡くなられましたね、とうとう。
 
何年もの間、パーキンソン病を患われ、震える指でペンをとったり、又は口述だったり、それでも最後の仕事となった新聞の連載エッセイを続けていたという石牟礼さん。
今の世の中にどうしても伝えたい思いがあったことと思います。
 
代表作の[苦海浄土]は私にとってもなぜか敷居の高い書物でした。
 
水俣病患者の方の症状があまりにも気の毒だろう、と直視するのが怖かった、というのが正直なところです。
 
でも去年、やっと手にとった(手に取りやすい新刊文庫本が出たこともあって)その本は私の想像をはるかに超えた感動的なものでした。
 
公害によってもたらされた患者さんの苦しみはそれはもう言い難いものです。
でもそれを超えた崇高な精神が道子さんによって表現されています。
 
「寄り添う」なんて簡単な言葉では事足りませんね。
一緒に闘ってこられた道子さんの目は水俣病問題に限らず、いろいろな問題を透察しておられます。
 
3部作として完結している[苦海浄土]のうちのたった一部しか読んでいない私がエラそうに言うのはホントおこがましいのですが、なんというか
「基本のキ」という感じがします。
 
私の周りでも3人の方が借りて下さいました。
ぜひ、1人でも多くの方に読んでいただきたいと思います。