連載
小学校の入り口には たいてい大きな掲示板があります。
お知らせを貼る、というよりは季節を表す絵柄を、たいていは色画用紙や色紙で作ったもので飾り、登校する子供達や 来校するお客様の目を楽しませよう、というものです。
私が最後に勤めていた小学校の玄関にも横長のかなり大きな掲示板があり、毎月そこを飾るのも、私の仕事でした。
私一人でするのではありません。
[掲示委員会]に入った5.6年の子供達とするのです。
(よーし!)
新しく図工専科として赴任してきた私はハリキリました。
どうせするなら、通る人がすーと通りすぎず、「ワアー!」と眺めてくれるようなものにしようと思いました。
例えば、5月には、鯉のぼりとかきつばた、ではないもの、6月には紫陽花、ではないもの、…という風に。
時間割内での[掲示委員会]では 子供達とワイワイガヤガヤ、アイデアを出しあいます。
「ダメダメ、そんなの平凡、よくある〜」
「それも、前にしたよなー」
その内、ピカッっと光ったアイデアが出てくるともう大変、地団駄ふんで 先生が一番大喜び、ノリノリで作業開始です。
もちろん[委員会]の時間だけでは足りません。
出来る限り、都合がつく放課後に、図工室に集まって作るのです(今は物騒な世の中になり、集団下校ですよね)
完成したものを皆で玄関の掲示板に貼っていく作業が又、楽しいのです。
これも勿論、放課後。
下校していく子供達の反応、ちょっと得意げな気持ち。
頑張って作ったものは案の定、評判は上々。
校長先生を初め、先生方も楽しみにして下さるようになりました。
今も憶えているお気に入り、確か11月は一面の落ち葉、上には錦の紅葉、その中に露天風呂があって、お猿さんの親子がにっこり、なんていうのも。
6月はとにかく雨の風景はやめにして、[父の日]にちなんで いろいろな職業の服装をしたお父さんを作ったり。
子供達に混じって私は[マクド]の店長さんを作ったなあ。
楽しかったけれど毎月変えるのは本当に大変でした。
作業が遅れて間に合わない時は、掲示板の真ん中に
「しばらくお待ちください」
と、昔のテレビみたいなテロップを出したり(;^_^A
おっと、すっかり思い出話が長くなりました。
雑誌[コットンタイム]の巻頭ページ[季節の歳時記(仮題)]を一年間、担当する事になりました。
[コットンタイム]は隔月発行ですので 掲示委員会ほど大変ではありません(^-^)
それに勿論、凝りすぎず、肩の力を抜いた優しい画面にしないといけませんね。
誌面でお目にかかるのは来春3月号からですが、そこはやはり、出版物。
作業はこの10月から始まります。