人形のキルト
冬休みをいただいている間に 古いキットの箱の整理もちょっとしました。
ちょっとどう考えても時代遅れのデザインで箱の中身を解体してしまうキット。
好きだったけれど、もうどうしても材料が揃わず、諦めるキット。
諦める前に一つでも材料を揃えて完成させるキット。
この大き目のキットはそんなキットの一つです。
もう何年も前、市川里美さんの絵本を集めていた時、[愛された人形たち]という本に出合いました。
市川さん独特の 丹念な、鉛筆画、水彩画で描き出されているのは お店でピカピカ得意顔の真新しいお人形ではなくて フランスの家庭をまわって取材し描いた古いお人形たちです。
それこそ各家庭の子ども達?によって抱かれ、遊ばれ、飾られ、愛されすぎてクタクタになった人形たちです。
中綿が痩せてしまって足がぐんにゃり、ちゃんと座れなくってぐったり、無表情なようで何か思っているような古い人形たちになんだか惹かれてしまいました。
それでどうしても「さら」ではない「使われた」お人形を並べたキルトを作りたくなったのです。
作ってから(この子の名前はきっと〇〇)と勝手な名前をつけ、刺繡をしました。
なのでその後、立体でも‥と作ったぬいぐるみ[わたしのお人形]のこの子は 実は「Rinaちゃん」という名前なんですね。
そう言えば 小さい時に母に作ってもらったお人形はどんなにぶきっちょでも 嬉しくてうれしくてたまらなかったことを思い出しました。