紙の本
無類の本好きのIさんが またまた面白い本を貸して下さいました。
安藤祐介氏著[本のエンドロール]
大手や中小いろいろな出版社からの依頼を引き受ける印刷会社の若手営業マンの目を通して いろいろな本が出来上がっていくまでの様々なドラマが綴られています。
まさしく一冊の本が出来上がるまでに 様々な人の仕事を経、様々な問題をなんとか解決しながら 書店に並ぶまでのドラマ。
作中では 大御所と言われる作家さんや装丁デザイナーのトンデモわがままに翻弄される印刷工場の人々の苦労が描かれていて 胃がヒリヒリしながら読みます。
結局は 何十年と印刷機械と寄り添ってきたベテラン「職人」さんに助けられたり・・・。
実はまだ読んでいる途中で、今は 昔ながらの「紙製の本」と時代さながらの「電子書籍」との両立を主人公が模索しているところ・・・
読書家の同僚の女性、
(なぜ読書が好きになったのか?)
という自問に思い当たったのは覚えている限りの1番古い愛読書、[ぞうさんのおうち]
「幼児の乱暴な扱いにも耐えうる丈夫な厚紙を使い、外箱に守られている」本。
でも その女性は思い直してこんな風にも言います。
「この先、生まれて初めて触れた本が電子書籍だという人が増えていくでしょう。本が読まれなくなる中、液晶画面を通して本との出会いが少しでも広がるなら、それは素敵なことだと思います。」
私はこの作中の女性よりうんと年配からでしょうか?とてもそんな風には思えません。
ピカピカしたきれいな紙のページを開いたり閉じたり、ウンショと持ったり、反対側から開けてみたり、、五感で楽しい「本」を感じてほしい・・・。
たとえどんな時代になろうとも「絵本は紙で」って願います。