昨日の感想
マイケル・サンデル教授。
ハーバード大学の政治哲学教授。
1953年、ミネソタ州生まれだそうですから58才でしょうか?
私が初めて知ったのは、MJのファンになって以来、牛の歩みのように続けている英会話の教材に氏のインタビューがあった事でした。
その後、NHKや民放での講義を見聞きして、頭脳明晰、投げ掛ける質問のユニークさや鋭さ、スピード感だけではなく、ユーモアや温かさを感じる人間性、そして導き出される教授自身の見解の方向性にヒューマンなものを感じ、すっかりファンになりました。
元々、共同体の価値を重視する政治思想をお持ちだそうで、だから夕べの番組でも、震災直後の日本人の行動をとても高く評価して下さっていました。
私も、今回のことでの東北の被災者の方々の様子や、電力会社の現場の方、自衛隊、消防士始めとする人々の働きには頭が下がる思いしかないのですが…。
でも、何もない時、普段の日本人を考えると…。
要するに〈無い物ねだり〉かもしれません。
アメリカのように多民族国家、広い国土、そんな国の人には秩序のある日本のコミュニティーは素晴らしく映るのかも?
でも、実際は縛られる行事の多さや息苦しさや、どっちかというと[没個性][長いものに巻かれる方が安心]等の風潮がある中で暮らしている人も多いはず。
子どもの頃からしっかり〈自分の意見〉を主張できることを教育され、〈個〉を大切にする欧米の文化に憧れる気持ちもあるのです。
だからといって、苦しんでいる隣人や、はたまた遠く離れた地球の裏側にいる人達に思いを寄せられない訳ではないと思います。
愛された子どもは愛し方を知って育ち、感性や想像力を培われた子どもは、自分のことのように感じられるからだと思います。
そんな事を考えながら、アメリカ人の多くに見られるような大きすぎる体型でもなく、ピシッとスーツの似合うサンデル教授にまたまた惚れなおした夜でした。