マグナム・オーパス

2012年12月17日(月) ブログ
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アメリカの小学校での銃乱射事件。

史上最低の投票率。

遠ざかる脱原発。

明るい希望を持てないような気分についなってしまいます。

どうして投票に行かないのでしょう?
諦めムード?…。

個人では何をやっても届かない?

でも、日曜6時半からの[夢の扉]で紹介される方を知ると勇気、元気が出ます。
皆、[個人]で頑張ることからスタートしておられます。
いつか世の中を変えられる、と信じて…。
「I have dream」と…。

その事を信じないで諦めてしまうのは、ひょっとしたら頼りない政治家の人よりも悪いことではないでしょうか?

「個人の力」を信じて、いつか共感が大きな力になる、と信じて頑張った人がマイケルです。

[コンプリートワークス]の著者で大学教授のジョセフ・ボーゲル氏によると、マイケルのマグナム・オーパス(マイケルファンになってから少しずつ英単語が増えていきます(^^;『傑作』という意味です )は[ビリージーン]でもなければ[ブラックオアホワイト]でもなく[アースソング]だそうです。

どなたかが書いておられました。
[アースソング]は「地球の歌」というよりも「地球が歌っている」と訳す方がぴったりだと。

世界中のあらゆる問題、危機、戦争で虐殺される人々や環境破壊される地球上の問題を伝えるニュースを、他の人のように
「どこかで起こっている事」
とは思えないで、
「僕の中に起こっている事」
と感じていた彼が作ったこの歌は、それまでの社会へのアンセム(賛歌)やプロテストソングとは全然違い、さらに画期的で、ドラマチックであり、根本的なものだった、とボーゲル氏は書いています。

この曲の本質はさらに深いところにあり、見つめる視野はもっと広く…。
ピカソが美的に表現したプロテスト作品[ゲルニカ]が絵画で伝えたものを音楽という形で伝えている、と。
破壊と苦しみが渦巻くシーンの内面は声だ…泣き、訴え、叫ぶ…その部分には歌詞はなく「アアア…ウウウ…」

正直、素晴らしい曲であっても、私自身はちょっと苦手でした。
あまりにも正攻法で、辛すぎる歌、に思えて。

戦火の森で泣き叫ぶ彼や人々を映すショートフィルムも、何度も観る気にはなれなかったし、コンサートでの寸劇もちょっとなんだか…ってひいてしまって…。

でも。

1996年の[ロイヤルブルネイフリーコンサート]で最後のカーテンコールで歌われた[アースソング]
これですっかりやられました。

セットリストに加わる[ヒストリーツアー]に先駆けて、きっとまだ衣装も寸劇も決まっていなかった中、マイケルがマイクに向かって歌うだけのこのシンプルで真摯なパフォーマンスだけでビシバシと伝わってきます。

[ロイヤルブルネイコンサート]といえば、超お金持ちのブルネイの王様が自身の誕生日を国民と一緒に祝おうと、
「じゃあ、マイケル・ジャクソンのコンサートを」
って全額私費でとりしきったもの。

そんな、いわば浮かれたお祝いの場でも、
「大切な事を伝えよう」
と必死にパフォーマンスした彼。

最後、アカペラの場面はきっとブルネイ語で何かメッセージを叫んでいるんでしょうね。

そんな彼の魂の[アースソング]を観てみて下さい。http://www.youtube.com/watch?v=WxXqEi1obKg