20年前
昨日は阪神淡路大震災が起こって20年目の日。
もう20年経ったなんて…
ここ、相生でもあの明け方の、あの揺れの恐ろしさは忘れられません。
お陰様で被害というものは何も無く、親戚等も無事でした。
ところがこの人は違いました。
Iさんの神戸在住の叔母さん宅は全壊し、年下の従姉妹とその赤ちゃんが無くなったのです。
人一倍働き者のIさんがその当時、心を痛めながら神戸に通い、叔母さんに寄り添ったり、片付けを手伝ったり、保育園の手伝いをしたりしておられた事はよく覚えています。
ただ、その次の年に[布と糸で作る夢展]に出品してくれたこの作品が亡き二人へのオマージュだとは、昨日聞くまで知りませんでした。
この世に生を受けて6ヶ月という早さで旅立ってしまった赤ちゃんのかなちゃんのためにいつかあったであろうはずの晴れの日のイメージを込めて…
それはきっと若い母親だった従姉妹さんのちょっと前のウェディングのイメージも重ねて、のことでしょう。
ウェディングを表現するのだけれど、ピンクやブルーよりもグリーンを使って…
「グリーンは再生の意味があるから」
と、Iさん。
20年前、それまではやはり好みの写真やイラストの一場面を拡大して作品にしていたIさんが哀しみの中、制作意欲が湧かなかった、と言います。
そして 二人のために、とこの作品を思い立った時、再び針が持てたそう…。
初めての自身での構成、オリジナル作品が誕生しました。
「一つオリジナルが出来たんだから次もぜひオリジナルで…。」
と、私が言ったんだとか、言わないとか(^^;;
それ以来、IさんはIさんならではのオリジナルです。
思い起こしてみれば、このウェディングの作品といい、「桜」をテーマにした作品といい、単純な私の作品と違い Iさんの作品の色合いには秘めた「暗さ」があるなあ、(因みに桜の作品はお姑さんが突然の事故で亡くなった次の年出品)とは思っていました。
人に歴史あり、です。