ゾフィー21歳
【アンネの日記】のアンネ・フランクの事は日本でもよく知られ、私ももちろん子どもの時に知りましたが、「ゾフィー・ショル」の事は 恥ずかしながらゼンゼン知りませんでした。
絵本図書館の最近のテーマ[絵本でめぐるドイツ・オーストリア紀行]のための本を探っている時に連れ合いがみつけたこの本。
衝撃でした。
どんな内容なのか上手く説明出来ませんので、澤地久枝さんが書いておらる序文を引かせていただきます。
「清冽なメッセージ
ー人間はいかに生き、そして死ぬかー
前略
ヒトラー支配下の狂気と残忍性が正当化され横行した社会で、根づよい抵抗運動があったことはよく知られる。
中略
ショル兄弟がかかわった「白バラ」グループも抵抗組織の一つである。
勇気を支えたのは信仰であり、
奪い返そうとしたものは「人間の尊厳と自由」である。
1943年2月、ゾフィー・ショルは兄たちと共に「反逆準備及び敵側幇助」の罪名で、手斧による斬首刑を執行される。
21歳だった。
お人形遊びや水泳ぎを楽しんだ幼い日から、処刑直前の親たちとの面会まで、清冽なゾフィーの人生が、姉や身近な証言者によって具体的に語られている。
両親の見事さにも感動させられた。
ビラの文章、会話のはしはし。
すべて60年前に終わった物語とは思えない。
年齢を問わず、いかに生き、そして死ぬのか。
ゾフィーの人生はつよい示唆を与える。
今改めてすべての日本人に贈られるメッセージのようにも思える。
澤地 久枝 」
読んでいて、特に暗い本ではありませんでした。
ゾフィーはリベラルな考えの父の元、母や姉、兄と一緒に愛に包まれ、大自然を友として五感を豊かに育てた少女です。
しいて言えば、身近な感覚、共感できるからこそ、読んでいて辛いのだと思います。