小さい時から絵を描くのが好きで、美術の大学に進もう、と受験のために高校時代にデッサンの勉強に通いました。
週2回、夜に阪急と京阪電車を乗り継いで[東福寺]で下車。
吉田光慶という、日展系の洋画家の先生のお宅に通うのは本当に楽しかったです。
沢山の生徒さんを見ている吉田先生はユーモアがあって、優しくてとっても褒め上手^_^
中には京都芸大を目指して何浪もしている男性もいて、
(あんなに神技みたいに上手なのに落ちるんだもの、私なんか絶対無理!)
と、早々と京都芸大を諦めたものです。
HBの鉛筆一本で、対象物の質感や重さまで描ききる鉛筆デッサンは高校生だった私にはとてもミラクルで新鮮なものだったのです。
そしてやっているうちに、デッサンで養う力は決して器用に手先が動く等の技術ではなく、
(今までなんの気なしにボーッと見ていた対象物が見えてくる)
(気づかなかったものが見えてくる)
まさしく(見える目)を養うことなんだな、ということがわかってきました。
なので、名だたる日本画の巨匠といわれる方でも、いくつになっても自然を相手に、モデルを相手にデッサンを重ねられます。
きっと、私には及びもつかない深い真実が見えてこられるのかもしれません。
ところで、なんでこんな話になったかというと…
冒頭の写真は49年前の昨日、ノーベル平和賞が決定したキング牧師の顔のデッサン。
描いたのはマイケルだそうです。
JJさんのブログで知ってビックリしました。
タッチは荒いところもあるけれど、何よりキング牧師の表情、内面がちゃんと表現されています。
マイケルが小さい時から絵を描くのが好きで、その腕前もなかなかのものとは知っていましたが、改めて(ものを見る力)を持っていたことに感心しました。
他の人と同じようには学校へ通えなかった彼ですが、ローズ先生という優れた家庭教師や芸術の素晴らしさを教えてくれたダイアナ・ロスたちのおかげ、そして何よりも自身の向学心で誰よりも、勉強し、読書したようです。
その上デッサンにもちゃんと時間を作っていたのですね。
嬉しい!