吾木香
昨日、9月の第1水曜日は3ヶ月ぶりの明石での[いつかの会]におもむきました。
もうかれこれ30年も経ちますから毎回、題材に(ハタ!)と困ります。
いつも生命力に驚きながら引っこ抜いている雑草や野の花っぽいものはどうだろう?と思いつき、花屋さんを覗くと「吾木香」が売られていました。
「ワレモコウ」という花と名前を知ったのは学生時代でした。
癌で右腕を切断、絵筆を左手に持ち替えて、優しいながらどっしりした独特の日本画を描き、35歳の若さで旅立った三橋(鈴木)節子さんの画集を持っていたからです。
[吾木香]と題された冊子はお父様の三橋時雄氏が編んだ追悼集です。
夏に行った美術館の、「秋野不矩」さんのお弟子さんでもありました。
京都の方で、お父さんは京大教授、自身は鴨沂高校卒業後(ジュリーと一緒😅)京都芸大日本画科に入学、創作活動を開始、同じ日本画家の鈴木氏と結婚、一男一女を授かり…
幸せな暮らしの中に病魔が忍び込んだのでした。
晩年は優しい母の目で、琵琶湖にまつわる伝説をモチーフに絵を描いておられましたが、そこには沢山の野の花が描かれていました。
山野草も多く…吾木香だけを描いた作品も。
その絵の解説をお連れ合いの鈴木氏がこんな風に書いておられます。
「吾木香は、彼女が最も好きな花だった。質素なたたずまいは目につかない地味な花だ。
だがなんとも好ましい秋の花だ。
あまり見かけられない。
吾木香が群生しているところを見たいといつも彼女は言っていた。
のち、伊吹山の頂上付近に9月頃群生していると人に聞いた」
それ以来、私にとっても吾木香は特別の花になりました。
信州は車山高原にはいっぱい生えていましたよ。
昨日の皆んなも一生懸命描いてくれました。