なかなか魅力的な作品展を開催される佐川美術館ですが、ここからはちと遠い❗️
でも高山辰雄氏の作品展とあって、昨日、第二日曜日、出かけてきました。
以前は守山駅からバスに乗ってかなり距離を感じたので、今回は湖西線経由の新快速で[堅田駅]まで、そこからバスに乗りました。
終点が[佐川美術館]です。
お馴染みの、ぐるりに水をはった涼しげな平屋建て、大きな欅、文字通り、「都会の喧騒を離れて…」というような佇まいで観覧者も少なめでした。
日展で拝見していたのは晩年のいわゆる老境の傑作。
学生時代の作品から、迷いながら自己の主題、作風を確立していくまでの作品をつぶさに観る事が出来ました。
特に、聞き及んでいた、東京美術学校を主席で卒業とか、後には日展理事に昇格、文化勲章を受けたり、という華々しい活躍の裏にはやはり幾つかの大きな挫折を経験、それがその後の糧になっておられる事を知り、
(やっぱりなぁ)と感慨深いものがありました。
「生」の根源を模索しつつ、女性とか子供とかあまり裕福では無い人とかに対する眼差しが、厳しく且つ温かい画面を構成しています。
そして、東京大空襲でたった二つ焼け残った、東美の卒業記念の筆と硯…
それがきっかけになったのか?どうか?晩年の大作でもほとんど一本の筆で描き、完成した時にはその筆はチビて使い物にならなかった、とか…
高山氏の、あのかなり厚塗り、遠くから見ると朦朧としている画面も 緻密に描き、塗り重ねてある技法で精神性の高い人物画も
(え!?一本の筆で?)とちょっと信じられなく思いました。
ところで、 それ以外にも久しぶりの滋賀県、そして琵琶湖、遠くにかすんで見えた「近江富士」、そしてバスが琵琶湖大橋を渡ってくれた事、、、いろいろ嬉しかったです。
そしてもう一つ、美術館の中の広々した素敵なカフェのコーヒーはなんと「イノダコーヒー」でしたよ。