堀さんの言葉
子どもへの虐待、北方領土のこと、沖縄のこと、原発事故後の甲状腺機能異常のこと、勤労統計問題…
さまざまな問題が誌上をを賑わせる中、ひっそりと堀文子さんのご逝去の報が載っていました。
まさに 私には「巨星落つ」の心情です。
凛として品格のある、素晴らしい絵を描いてきた日本画家。
100歳になられていたのですね。
若い頃から自立心を持った女性でしたが、特に83歳の時に大病を経験されてからの堀さんの暮らしぶりや哲学的な言葉は 両頬をピシャンピシャンと叩かれるような気がしたものです。
2010年に求龍堂から発刊された[堀文子の言葉 ひとりで生きる]には すべて短い言葉で堀さんが自らの人生の中で体得した理念が綴られ、それこそ、パッとどのページを開けても珠玉の言葉に出逢うことが出来ます。
「私は、90年もの長い間さまよって、やっと少しわかったというか。
私は、自分を否定して、自分のことを劣っていると思っていましたから、よその世界に憧れて世界中をさまよったのです。
自分は日本の生物だったと、そのことがわかるまでに長い時間がかかりました。
見つかったかどうかは知りませんけど、「青い鳥はよそにはいない」ということがわかったのです。
皆さんも「青い鳥は自分の中にいる」はずです。」