秋野不矩さん

2019年8月9日(金) ブログ
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日本画家 秋野不矩さんを知ったのは「湖の画家三橋節子」さんの“師”としてでした。 
女性でありながら骨太。
インドの大地や建物、人物を主題とした雄大かつヒューマンな表現の新しい日本画を制作した人で、彼女の影響で節子さんもインドにスケッチ旅行した事等…
 
そんな秋野不矩さんの息子さんが絵本画家であり、その上すぐ近くの上郡町に住まわれていたとは最近知ったことです。
 
ここ数年、
(そっか。新幹線プラスレンタカーなら運転手であるつれあいの負担も少し軽いかな)
と、夏の信州行きを実行していましたが、今年は少しだけ近場にすることにしました。
 
そこで静岡県は浜松市にある[秋野不矩美術館]行きの計画をつれあいが立ててくれました。
 
JR浜松駅から車で45分くらい。
ヘアピンカーブみたいに曲がる雄大な天竜川のすぐそばの丘に建つ美術館は予想以上に素晴らしい建物でした。
 
市の施設なので職員の方もたくさんおられるし…。
昔、京都市美術館での[創画会展]で不矩さんのタブローを観たことはあったものの、静かで、画風に合わせた内装の壁に掛かった作品は圧倒的な魅力に溢れたものでした。
 
絵や建物の素晴らしさに感動する一方、去年訪れた丸木美術館の事を想ってしまいました。
 
もちろん秋野不矩さんの絵は素晴らしい。
彼女の視線は若い頃から一貫して
「時代に生きる貧しい庶民の生活に眼を向ける」
画家であられたのだし…。
 
でも、一方で「原爆の図」を展示した丸木美術館は市の運営でも国の運営でもなく、有志の寄付でなんとかまかなわれている、という現実。
 
生きておられたならきっと不矩さんだって同じことを想われたのでは?なんて想像しますが。
 
8月9日。
今日は長崎に核兵器が落とされた日。