そのこさんの本
最近、待ち時間や電車に乗る時間等が多く、単行本がありがたいです。
先日も大阪の行き帰り、夢中で読んで、帰りの電車の中では人知れず込み上げてくる本がありました。
事程左様に町田そのこさんの本は泣かせます。
Iさんに紹介してもらってから3冊目でしたがこれが一番胸に来ました。
人って不思議ですね。
産まれた土地も家族構成も年齢も性別もそれぞれ全然違っても すーっと心に入ってくる、その人の気持ちがわかる、共感できる…
それはもちろん受け取る側の感性も必要ですが、市井に生きる人々の抱える宇宙をその筆力で表し出す作家さんてホントにスゴイ!
この本では大切な人に死なれてしまった人の苦しみと救いが、ある人物を縦に通したショートストーリーの連作になっています。
私のように特別な何かがあった訳でもない人間でも、転校生で中3とは思えないかなり大人びた友人の事を思い出したし、一昨年急逝した兄と喧嘩した時の事を思い出したり…
単行本の帯にも「(そのこさん史上)1番泣ける あたたかな涙が止まらない」
って書いてありました。
つい気づかずにいてしまう、ひと(他人)が肩に持っている重い(辛い)荷物に気づき考える本だと思います。