あくまでも優しく

2010年12月5日(日) ブログ
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自分のとこながら、
(たくさんのクリスマス絵本があるものだなあ!)
と、感心します。
昔、絵本を集めていた頃には、[クリスマスの絵本]といっても、スタンダードなもの以外、そんなに無かったのです。
そのかわり、見つけた時の、ワクワクドキドキしたなんとも言えない感動がありました。
それが毎年、いろんな所からいろんなクリスマス絵本がたくさん出版されるようになると…。
有名作家の、又は人気シリーズのクリスマスバージョン。
古典をいろいろな画家が描いたもの。
クリスマスの事典的なもの。
クリスマスキャロルを題材にしたもの。
そして飛び出す絵本等…。
その中には正直、なんだか商業ペースに乗せて、「クリスマスだったら良い」という感じの、安易なお話作りの気がするものもあります。
賑やかな「意匠」だけを追いかけるものではなく、やはり、その時期ならではの心温まる、しみじみとしたお話を子ども達の心に届けたい。

有名作家もとってつけたみたいなクリスマス絵本?に思う作品もある中、この人は違います。
ガブリエル・バンサンさん。
みなしごのネズミの少女セレスティーヌを大切に育て、一緒に暮らすクマのアーネストおじさんの話です。
クリスマスの時の話は2冊。
どちらも[流行り]とは関係なく、昔からあったもので、私の本も、表紙がちょっとセピア調に色褪せています。
どちらも、ワガママで傷つきやすい小さなセレスティーヌにふりまわされるアーネストおじさんの数日ですが、美しい絵と共に、ひやひやしたり、ホッとしたり…。
どんな時にも、どんなセレスティーヌにも、あくまでもあくまでも優しいアーネストは、きっと女性の一つの憧れですよね。
優しいだけではありません。
あくまでも気高く、静謐な生き方を示し…誰かみたい(^-^)
だからこそ、最後にはセレスティーヌは心から反省、彼女も又、彼女自身の持っている優しさを示すのです。
クリスマスにはやっぱりこんな話がいいな。