布の話
「これ、素敵だったんで…」
と、スタッフMさんがリバティの特集ムックを貸してくれました。
中を見るとハアー、この間神戸大丸で買ったリバティタナローンが、春の新作として紹介してありました。
可愛い!と思ったらそのはず、絵本作家やイラストレーターの人とコラボしてるんですね!
そのデザインを、やはりリバティのデザインスタッフが伝統の技術と感性で布にしていく…。
どれもこれも可愛かったり、渋かったり。
ワイルドスミスさんもデザインしてられるのですが、意外と渋め。
へーえ、一目ぼれして買ってきた[犬]の模様と[樹木]の模様は違う作者なんだ…。
写真右下の、サインペンでクルクル描いたような模様も可愛いと思っていたら、やっぱり子どもの絵が元だったんだ…。
ページをめくる度にワクワク、ニコニコ…。
これってとっても大事なことではないでしょうか?
この仕事をしていて、ときどき落ち込む原因に、メーカーや卸し屋さんから買う布、これが不思議と私の好きなものは消えていき、ベージュとか灰色とか、茶系の、あまり(綺麗)とは思えない(私は)布ははばをきかせ、生き残っています。
ズバリ、その方が需要があるということです。
その実態を見る時、つい、深読みして悲しくなります。
すなわちこれは、少し昔の日本人女性の置かれていた立場、育てられた価値観のせいではないのかな?と。
(人と同じが良い)
(近所の人に何か思われるような目立ったものはダメ)
(出る杭は打たれそう…)
図工教育のせいもあるのでは?
一人一人の個性よりも
「こんな絵が上手な絵だから、こんな風にかきなさい」……
違うかなあ?
決して[和風]が嫌い、というのとは違うことです。
和風も例えば[桂離宮]の各意匠のシンプルさ、大胆さ、繊細さはとってもお洒落だし、着物の柄と色も世界に誇れるものですよね?
ワクワク、ドキドキ、楽しい!プラス安っぽくないもの、品性のあるものを上手に日常のものに取り入れて楽しみたいです。
日本の布メーカー、頑張って!