ファッションの力
「今日は開いていますか?」
のお電話を幾つかいただいて…。
申し訳ありません。
月曜日(9日)からの再開に向けて着々と準備中です。
9、10日と二日間のSALEに向けて絵本図書館では準備大わらわですが、ショップには新年から、
(ドカーン!)
と、おもちゃのクラシックカーが登場しています。
こんな物はそうそう売れるとは思えないのですが、あるとなんだか気分が上がります。
(合理的)とか(経済的)とか(大量消費)とか…
そんなものの対極にあるかもしれませんが、とにかく夢のあるものが好きです。
そういうとなんだか私の場合はフワフワいい加減な感じですが、もっと真剣にそういことに取り組んでいる人の話が、今朝の朝日新聞に載っていて嬉しくなりました。
川久保 玲さん。
ファッションデザイナーでご存知[コムデギャルソン]の創始者です。
―出口のない不況が続き、世界中で格差批判も広がっています。高級ブランドを扱う業界には逆風ではありませんか?
「どの分野でも、商品の値段や製作費用をいとわず、新しいものを作り出そうとしている人はたくさんいます。そうした姿勢は、どんな状況であっても人が前に進むために必要なものだからです。私にとってはファッションこそが、そうした場なのです。」
―川久保さんの真骨頂は前衛的なデザインです。でも、世の中の風潮は安定感や着やすさを求める傾向にありますね。
「すぐ着られる簡単な服で満足している人が増えています。他の人と同じ服を着て、そのことに何の疑問も抱かない。服装のことだけではありません。最近の人は強いもの、格好いいもの、新しいものはなくても、今をなんとなく過ごせればいい、と。情熱や興奮、怒り、現状を打ち破ろうという意欲が弱まってきている。そんな風潮に危惧を感じています。」
―ファッションで個性を表現する必要はない、と考えている人が増えているようです。
「ファッションの分野に限らず本当に個性を表現している人は、人とは違うものを着たり、違うように着こなしたりしているものです。そんな人はトップモードの服でなくても、Tシャツ姿でも『この人は何か持っているな』という雰囲気を醸し出しています。本人の中身が新しければ、着ているものも新しく見える。ファッションとは、それを着ている人の中身も含めたものなのです。最近はグループのタレントが多くなって、みんな同じような服を着て、歌って踊っています。私には不思議です」
―ファッションがあらゆる分野の流行に影響を与えた時代がありました。もはやそんな存在ではないのでは?
「それは時代の変化で、そういうものかもしれない、もう負けかな、と思うこともあります。状況を変えられていないのは事実ですから。けれども、ファッションにはなお、人を前向きにさせて、何か新しいことに挑戦させるきっかけになる力があると信じています」
川久保 玲さん。
今年70歳。
きりりとした容姿、言動…健在です。
昭和の高度成長期に輩出した有名デザイナーが[文化服装学院]卒の方が多い中、慶応の文学部卒と、異色です。