「生」
重厚な作風、どんな細かい布も綺麗に縫ってしまえる(ゴッドハンド)をお持ちのHさん。
ところが6月に逝ってしまわれたNさんとあまりにも仲良しだったためにすっかり気落ちして…。
Nさんの思い出いっぱいのゆう風舎にはなかなか足が向きませんでした。
(せっかくの才能なのに、もうキルトやめてしまわれるのかなあ)
そんな風に思い始めていた今日…。
7ヵ月ぶりに…。
なんとか新しい作品に着手してくれそう…。
「生きている限り、前をみて頑張らなくっちゃ」
年下の私が知った風なことを言います。
折しも、Nさんの代わりに、西宮から電車で来られるHさんを迎えに行ってくれたKさんから、先日行かれた京都近代美術館での[山口華楊展]の話が出ました。
「とっても良かった…。」
とKさん。
愛犬を可愛がっておられるKさんには、特に画伯の描いた動物達の優しい目が印象深かったようです。
山口華楊さんといえば、私も学生時代にその作品を知って、静かで品が良く、優しさと厳しさの溢れる画風に畏敬の念を感じた日本画家です。
特に、この素描集はとっても貴重で何度手にとったかわかりません。
その素描集の中には素描だけではなく完成された作品(タブロー)の写真も少しだけあります。
この優しい表情の子馬の絵、題名は「生」といいます。
来春、Nさんに四人目のお孫さんが生まれます。