スマイル
水戸黄門の家来がいざ!という時に
「これが目に入らぬか!」
と印籠を示すように、マイケルの事を誤解している人に
「これが耳に入らぬか!」
というようなとっておきの歌があります。
それは数多い彼の作詞作曲のものではなく、ジョン・ターナー、ジェフリー・パーソンズ作詞、チャールズ・チャップリン作曲の[スマイル]です。
[スマイル]はマイケルが自身の昔からのヒーロー、チャップリンに捧げた心からのオマージュ。
レコーディングは1994年と言いますから、またもやあの忌まわしい児童虐待容疑騒動の約1年後…。
地獄の苦しみからなんとか立ち直ろうとしている自分自身と、世界中のいろんな状況にある人々のために歌っている絶唱です。
その時のエピソード。
「この曲のボーカルは、オーケストラの生演奏と同時に録音された。
『最初オーケストラは、ボーカルなしのつもりでリハーサルしていたんだ。すると最初のテイクに合わせてマイケルが歌い始めた。オーケストラ全員、椅子から転げ落ちそうになっていたよ』
ブリティッシュ・オーケストラの指揮者、ジェレミー・ラポックは語る。
『だが、最も印象に残ったレコーディング・セッションといえば、マイケル・ジャクソンのアルバム[ヒストリー]に入っている[スマイル]の時のセッションだね。最高の曲、最高のアーティスト、完璧だ!』
レコーディングの後、オーケストラに挨拶をしに行ったマイケルはスタンディングオベーションで迎えられた。
ブルース・スウェディンは振り返る。
『マイケルがスタジオに入ってきた時…50人のメンバー、全員が立ち上がり、弓で楽譜スタンドを叩き出した。全力でね。指揮台の上に立っていたジェレミーも思い切り拍手をしていた。コントロールルームにいた私も、全力で拍手を送ったよ!』
一度、聴いてみて下さい。
哀しみの最中にいる人にそっと優しく寄り添う歌声です。
本当はパソコンの音質ではイマイチです。
高音質のデッキかヘッドフォンで、しかも大音量で、をお薦めします。http://www.youtube.com/watch?v=pyRa_ygq1nc