カミーユ・クローデル

2013年3月1日(金) ブログ
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超有名なブロンズ像「考える人」の作者、ロダンを知らない人はまずおられないでしょう。

でも、「カミーユ・クローデル」の名をご存じない方は結構多いのでは?

私も今から25年前、大阪の梅田大丸で催された[カミーユ・クローデル展]を観るまではぜんぜん知りませんでした。

一時は忘れ去られ、今は「20世紀最大の彫刻家の1人」と称えられるフランスの女流彫刻家です。

とても綺麗な人で、ロダンの弟子であり、愛人でした。

と、ここが彼女の悲劇なんですね。

自らの才能も素晴らしかったのに、力仕事が要る芸術でもあり、当時の社会では完全に男社会だった彫刻の世界で、ロダンからも独立しようと研鑽し、又、独占したくてもそれは叶わないロダンへの愛の苦しみ…
その両方との闘いからとうとう精神に異常をきたしてしまって最期は精神病院で孤独に亡くなった人です。

ちなみに弟さんはポール・クローデルといって有名な詩人だそう。

ロダンの作品のスケールの大きさ、深さに畏敬の念を抱いていた私は
(そんな人がいたんだ…)
と、とっても興味を持ちました。

作品は…なんとも!素晴らしかった!
彫塑という表現方法で人間の(感情)というものをこんなに鮮やかに流麗に表せるものなんだなあ、と…。
ロダンとは又違って、まさしく〈女性〉が作った作品。

ロダンに対する愛と、苦悩、いろんな意味で(自立したい)という葛藤を、観た人は強く感じたと思います。

本国、フランスで見直されたからこそ、日本にも来たわけでその次の年、イザベル・アジャーニ、ジェラール・ドパルデュー主演で映画も作られました。

美しく儚げで、又狂気を演じたらピカ一といわれるアジャーニの渾身の演技。
ハリウッド映画とは違って、静かで画面も暗かったけれど忘れられない映画です。

さあ、そんな写真集やパンフレットも並べた3月の絵本図書館。

ぜひ、手にとって、観て、知っていただきたいなあ。