追悼第2弾 ブカレスト
ソロになってからBADワールドツアーを日本を皮切りに、[DANGEROUSツアー]、[HISTORYツアー]と、世界中の都市で数えきれないほどのコンサートをして来たマイケルですが、意外と、生前の彼が認めた公式のDVDになったのはたった一つしか無いんですよ。
それがこれ、1992年10月に行われたルーマニア、ブカレストでのコンサートを収めた[ライブ イン ブカレスト]です。
マイケル没後、(にわかファン)になりたての頃に私も買って、観ました。
その当時は会場のファン達のあまりの熱狂ぶりをやや遠目で眺め、興奮し過ぎて始まったばかりで失神してしまいかつがれていくファン達を
(ヤレヤレ、気の毒に)
なんて、客観的に観ていた私ですが、今や、気持ち解りすぎるくらい解りますぅ(/ _ ; )
でも、なんでブカレストなんだろう?
そんな疑問はその当時からありました。
それにはマイケルの、深い想い、ちゃんと理由があったのです。
当時のルーマニアは長年の独裁者だったチャウシェスク大統領が失脚、ようやく民主的な社会を目指して歩き始めて間もない頃でした。
西側のスーパースターがコンサートに来て若者が熱狂するのも初めての事だったのです。
社会はまだまだ混乱や貧困を極め、やはりどの国でも同じこと、一番弱いものにしわ寄せが来るのです。
貧困の中、働きに出る母親に棄てられてしまう子ども達も多く、栄養の行き届かない環境の中で病気になる子ども達も多かったと言います。
そして、そんな子ども達を収容する孤児院や子ども病院がまた、劣悪な状態だったのです。
その事実に心を痛めた彼は、多額の寄附をして、施設を改善させたり、遊ぶ公園を作っただけではなく、世界中の人達にルーマニアに注目してもらいたいと、自身初めてのライブ公式収録として、販売に踏み切ったのです。
そんな経緯をルーマニアの人達は忘れていません。
毎年、彼の命日や誕生日に合わせて大がかりなトリビュートダンスやその他の催しで、彼に感謝の意を表しているのです。