節さんの涙

2015年11月28日(土) ブログ
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中途半端な色だけど、ちゃんと色づいた木の葉を無情にも散らす、冷たい風が吹く朝。

そんな寒さにもめげず、朝一番に小1くらいの女の子と若いお母さんが絵本を見に来てくれましたよ。

絵本図書館でも、カフェでも熱心に絵本を読んでくれました。

ケーキも仲良く二人で…

そんな様子を見ながら、私はふと昨日YouTubeで聞いた小林節さんのお母さんの話を思い出しました。

小林節さんというのは今、大活躍の憲法学者さん。
6月の衆院憲法審査会に参考人として呼ばれた3人の憲法学者が全員、「違憲」と言って話題になった、あの3人のうちのお一人。
一番顔の大きな方(^^;;

どんな場所でもずけずけ、自分の正しいと思った事を言い、強面の合間に愛敬のある…なんだか最近私は親しみを感じてよく話を聞いています。

そんな小林さんが何かの講演でご自分の話をされ、
生まれつき左指が無い障害者であること。
そのために小さい時からいじめられていたこと。

幼稚園の頃だったか?
遊んでいる子ども達の輪に入ろうとして拒否され、突き飛ばされ、泥だらけで泣いて帰った時のこと。
その時のお母さんの割烹着の感触まで憶えていること。

不覚にもその時は泣いて帰ってしまったけど、それ以来お母さんを困らせないように我慢したこと…

お母さんは立派な人で
「おまえは生きていかないといけないのだから」
と、どこへでも出来るだけ放り出したこと…

そのお母さんが数年前伴侶を亡くして、節さんのお姉さんの家で同居されてから認知症になり。
「以前の母は居なくなってしまって…」とそこで節さんは言葉をつまらせ、泣き始めてしまったのです。

あの、ずけずけ言う小林先生が!
あの強面で文字通り怖いもの無しみたいな節さんが。

会場の人もびっくりされたでしょう。
時も場所も離れてYouTubeで聞いているだけの私でも
(どうしようか?)
とソワソワしました。

節さんも
「人前で泣いたのなんて初めてです。スミマセン、すみません」と。

男の人にとっての「お母さん」って、又違う感覚なんでしょうね。

私自身の事を思い出すと、母が脳出血の後遺症で少し呆けても
「性格まで変わらなくってヨカッタ」
とか
「今日はちゃんとお通じがあってヨカッタ」
とか、ずいぶん現実的だったなあ(^^;;
と思います。