6年目
「多くの人にとっては、家族、仲間、隣人、恋人たちとの穏やかな日が、明日も、明後日も、その次の日も何気なく続いていくことこそ、幸せというものであろう。
それがある日突然に断ち切られた。
2011年3月11日、原子力緊急事態宣言が発令され、初め3km、次に10km、そして20kmと強制避難の指示が拡大していき、人々は手荷物だけを持って家を離れた。
家畜やペットは棄てられた。…
中略
今日生きている人間の誰一人として事故の収束を見ることができない。
環境を汚染している放射性物質の主犯人はセシウム137であり、その半減期は30年。
事故後6年たっても解除できないままの原子力緊急事態宣言は今後百年の単位で解除できない。
それなのに、この国はオリンピックが大切だという。
フクシマを忘れさせるため、マスコミは今後ますますオリンピック熱を流し、オリンピックに反対する輩は非国民だと言われる時が来るだろう。
しかし、罪のない人を棄民したままオリンピックが大切だという国なら、私は喜んで非国民になろうと思う。
『週刊金曜日』2017年3月10日号」
イラストレーター、イコマレイコさんの今朝のFacebookの記事から写させていただいた小出裕章さんの文の一部です。
今日のTBS【報道特集】のキャスターは3人共、宮城県や福島県にそれぞれ取材に行っていました。
地元で開催された成人式のために避難先から集まった若者のこと。
復旧から取り残された町で1人で住む人。
「負けるものか」
と、頑張っておられたのに急性の胃潰瘍で亡くなってしまった農業従事者の方。
そして原発事故でやむなく放っておかれ、餓死した牛、高い線量の中で病気になって安楽死させられ、解剖して調べられる牛…
飼い主の方の表情…