マハさんの本
とてもよく出来た構成で、ピカソが当時恋人だったドラ・マールと暮らしながら問題作【ゲルニカ】を制作し、そしてどうなったかを描く20世紀パートと、2001年、同時多発テロが起きたニューヨークのMoMAでキュレーターとして活躍する八神遥子の行動を描く21世紀パートが交互に1章ずつになっているので毎日ワクワクしながらも ほんの数ページ、1章ずつ読んでいたのですが、いよいよ佳境に入る最後の方になるとそうも出来ず、休みの昨日、一気に読んでしまいました。
原田マハさんの【暗幕のゲルニカ】
あ〜面白かった❣️
マハさんの才能と学習と経験からのスケールの大きい創作力に感服しました。
まるでそこにいたみたい(^^;;
そしていつの世にもどこの国にもどうしようもない独裁者が生じるのだなあ、と暗澹たる思いがしました。
ピカソやその時代のスペインの人を苦しめたフランコ将軍。
それを後押ししていたヒトラーやムッソリーニ。
史上初めて本国が爆撃された事から「大量破壊兵器」を所持しているからという理由でイラクに軍事行動を起こしたアメリカ政府。
【ゲルニカ】という芸術を反戦の象徴として命をかけて行動する人々。
まったく何の力もないながら一人の人間として
(どうしたら戦争が起きないようにできるだろう?)
と日々心を悩ませている身にとってはとても勇気や示唆をいただいた気がします。