観忘れた!
学生時代、ちょっと絵をかじっていた私。
さぞかし、可愛い子どもの絵とかを描いていたのだろう、と思われるかもしれませんが そうではないのです。
渋い?自然を描いていました。
19歳の時に京都市美術館で観た[アンドリュー・ワイエス展]のモロ影響です。
何にも知りませんでした。
ただ、憧れがありました。
別に写真のように見える「超リアリズム」に憧れていた訳ではありません。
アンドリュー・ワイエスというアメリカの画家がどういう気持ちで その自然や隣人達(主にアフリカンアメリカン)を描いていたのかも知りませんでした。
その時は来ていなかった代表作[クリスティーナの世界]のクリスティーナがなぜ画面全面で向こう向きに横たわっていて向こう側に家が描かれているのか、も知りませんでした。
彼と彼の芸術がどんなものであるか、少し詳しく知ったのはそれからもっと数十年後、NHKの番組で特集したのを観てからです。
知って、ますます好きになりました。
卓越した描写力の影のヒューマニズムと自然への愛、自己への厳しさ。
でも、学生時代の私はとにかく何も知らずにその絵に感動していたのです。
展覧会で買った図録も何度も何度も開いて眺めた結果、他のものよりボロボロです。
特に好きな[アルヴァロとクリスティーナの家]と題されたブルーのドアの絵。
クリスティーナ姉弟がどんな生活をしていたか、この家が厳しい自然や社会の中で生きる極貧の…とも知らずに惹かれていたのです。
どの作品も静かでしかも圧倒的に素晴らしいのですが、画集の最後にある出品目録を眺めてビックリしたこの白黒の絵。
水彩、ドライ・ブラッシュ、テンペラ、ドローイング…と作品毎に材質の説明があるのですが、この作品にはただ「鉛筆」とだけ記されています。
高校時代、受験のために鉛筆デッサンに通っていた私には衝撃でした。
鉛筆だけで描かれた[私の姉]
そんなアンドリュー・ワイエスの事を久しぶりに[日曜美術館]でするというので朝から
(観よう)
と思っていたのに、台風の雨風の音から逃れようと大音量で音楽を聴きながら縫い物をしていて、すっかり忘れてしまっていたのです😰😱
昨日のはどんな内容だったのかなあ。