来日した、ウルグアイの元大統領ホセ・ムヒカさん。
2014年に汐文社から出版された[世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ]という絵本で、ゆう風舎の絵本図書館ではお馴染みです。
ムヒカさんが有名になったのは 2012年ブラジルのリオデジャネイロで開かれた、環境や地球の未来について話し合う国連会議のスピーチからです。
この絵本はムヒカ大統領のスピーチを子ども向けの言葉に意訳して最初から最後まで書いてあります。
その前に少しだけ、ムヒカ大統領のことが書いてあります。
「演説の壇上に立ったムヒカ大統領。質素な背広にネクタイなしのシャツすがたです。そう、かれは世界でいちばん貧しい大統領なのです。
給料の大半を貧しい人のために寄付し、大統領の公邸には住まず、町からはなれた農場で奥さんとくらしています。花や野菜を作り、運転手つきの立派な車に乗るかわりに古びた愛車を自分で運転して、大統領の仕事に向かいます。
中略
さて、ムヒカ大統領の演説が始まりました。会場の人たちは、小国の話にそれほど関心をいだいていないようでした。
しかし演説が終わったとき、大きな拍手がわきおこったのです。」
わかりやすく、素晴らしい演説が続きます。
少し抜粋させていただきます。
「人より豊かになるために、情け容赦のない競争をくりひろげる世界にいながら、『心をひとつに、みんないっしょに』などという話しができるのでしょうか。だれもが持っているはずの、家族や友人や他人を思いやる気持ちは、どこにいってしまったのでしょうか。」
「目の前にある危機は地球環境の危機ではなく、わたしたちの生き方の危機です。人間は、いまや自分たちが生きるためにつくったしくみをうまく使いこなすことができず、むしろそのしくみによって危機におちいったのです。」
「すなおに考えてみましょう。
わたしたちは発展するためにこの世に生まれてきたのではありません。
この惑星に、幸せになろうと思って生まれてきたのです。」
「わたしが話していることは、とてもシンプルなことです。
社会が発展することが、幸福をそこなうものであってはなりません。
発展とは、人間の幸せの味方でなくてはならないのです。
人と人とが幸せな関係を結ぶこと、
子どもを育てること、
友人を持つこと、
地球上に愛があることー
こうしたものは、人間が生きるためにぎりぎり必要な土台です。発展はこれらをつくることの味方でなくてはならない」
あー、どこかの国の政治家さん達もこの絵本を読んでくれないかなあ~_~;
しつこいながらもう二言。
今朝の朝日新聞から。
「一番大きな貧困は孤独です。物の問題ではない。」
「他人のために何かできたら、自分の家族も幸せになる」