フィクションの力

2018年2月23日(金) ブログ
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またまた原田マハさんに脱帽です。
 
[奇跡の人]
 
そうです、有名なヘレン・ケラーとサリバン先生。
それを時代はそのまま、舞台を日本の青森県に持ってきて、1歳の時、高熱の病気のために視覚、聴覚を奪われた少女と若き信念の先生との葛藤の日々を描いた小説です。
 
なぜ青森県なのか?
ここにはマハさんの創作人物である「キワさん」という盲目の三味線を弾く少女が登場します。
 
明治という時代。
今よりもっともっと開かれた世の中ではなかった…
ましてや、貧農家庭の何番めかの子、全盲、女性…
 
生きることに困難な状況の下で「キワさん」はとても良い役割りを担っています。
 
そして何より「人間としての大切なこと」を三重苦の少女の中に呼び覚まそうと、どんな困難も乗り越えて信じ抜く先生がもちろん主役です。
 
「奇跡の人」とは「奇跡を起こさせる人」の意味で、サリバン先生のことなんですね。
 
感動しながらいろんな事を考えさせられます。
 
ヘレン・ケラーさんもこの物語の「れん」嬢も大変な名家の生まれ。
その事も「奇跡の人」を呼び寄せられた要因の1つです。
 
なのでそうはならない、できない、数多くの子ども達の行く末がどんなだったか?…
 
その想いを背負ってか、実際のヘレン・ケラーさんは立派な教育者、福祉活動家のみならず、人種差別や第一次世界大戦での殺戮にも反対し、婦人の参政権獲得にも尽くした、とあります。
 
マハさんのお陰で忘れていた事を思い出させていただきました。