沖縄の画家

2019年2月12日(火) ブログ
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読書家のIさんは ときどき小型の紙袋に入れて、何冊かまとめて本を貸して下さいます。 
Iさんは読むのが速いのです。
 
それを私は有難く少しずつ、えっちらおっちら読ませていただきます。
 
最近は原田マハさんの本が多く。
(どれから読もうかな?)
ミーハーな私は 同じアート小説の中でもつい、有名な作家を題材にしたものから選んでしまいました。
この間はバーナード・リーチさんの事を描いた[リーチ先生]
 
そしてこの本[太陽の棘]は表紙の絵が知らない絵だし、なんとなく最後になってしまっていてあまり期待もしていなかったのです。
 
ところが…えっちらおっちら読んで、最後は一気に読了しましたが泣けて泣けて😭😭
 
まず、これは終戦後ほどなくしての沖縄の駐留軍医さんの視点で書かれているお話。
アメリカ側から見た沖縄の人の話なのです。
 
そんなシチュエーションは思ってもみませんでした。
 
新任の若い精神科医。
育ちもよく、気立てもよく、そして何より絵を描くのが大好き。
そして出会うのです。
戦後の混乱にもめげず、貧しくも小さな「芸術家村」を作って創作に励む沖縄の若い画家たちと。
 
そんなことってあるの?と思いますが、これは実話を基にした話なのです。
表紙の絵もそのままの絵。
 
今はサンフランシスコ在住のスタンレー・スタインバーグ博士という方がモデルで原田さんがその方から記憶の全てを語っていただいたそうです。
 
映画[沖縄決戦]は観たけれど、辺野古の土砂投入をせめて県民投票が終わるまで待ってくれ、という署名はしたけれど、ほとんど何も知らない沖縄のこと…
 
感じること、考えること、いっぱいいっぱい…
 
辛い時代、辛い状況の中でもこれは人種を問わず「良き人」が登場し、とても感動的な話になっています。
 
あの強面の佐藤優さんが解説を書いておられ、
「私は日本人が書いた沖縄をテーマとする小説で【太陽の棘】がいちばん好きだ。」
と、書いておられます^_^