土地?大地?

2025年9月4日(木) ブログ

静岡に住むMちゃんの8月8日のFacebookに

「忙しくなると本を買いたくなるいつもの症状がでた。

サン=テグジュペリを手にとったのは[100分d e名著]の影響]

って書いてあったので思わずニタリ☺️

私も全く同じ時期に同じ理由で買ったものですから。

その前に懐かしい[星の王子様]を再読してから…

何にも言わないのに

「ゆかりちゃんのはきっと野崎歓訳のね。

私のは堀口大学の」

と、当てるところはさすが校正の仕事、本のプロのMちゃん。

新潮文庫の堀口さん訳の方は確か宮崎駿氏の絵が表紙なんですね。

びっくりするのは堀口さんの方は[人間の土地]という題名。ちょっとニュアンスが違う気がしますが…

Mちゃんは本業の方の本を読むのに必死で、なかなか自分の読みたい本を読む時間が無いそうですが、私は電車に乗って行く時の友に連れて行きます。

昨日は神戸、大阪、そして最後は明石の絵の日で電車のりのり、けっこう読めました。

私もいつの間にかけっこうな歳になり、(ドストエフスキー、読んだことないし、読まなきゃ)と、読んだ[カラマーゾフ]も[罪と罰]も、その他の日本の小説もたいていモチーフとして繰り広げられるのは人間同志のドロドロの世界ですが、サン=テグジュペリさんの[人間の大地]は驚くほど違う世界です。

操縦士としてプロペラ機で飛び、降りた世界。

それはしばしば一面の砂漠と星空だけの世界だったり、文明から離れた暮らしの中だったり。

そんな中、「重力」に感謝したり、何も無い真っ暗な世界の中で 思いがけず幼い頃に家で勤勉に働いていた家政婦さん?の仕事ぶりと価値を思い出すエピソード等がとても新鮮に感じられます。

でも、何より驚くのはその文章表現です。

比喩に富んでいるというか、感性満タンと言うか…1行たりともおざなりな文章はありません。

何度か読み返さないと、というような名文です。

凄い人だなぁ、と再発見です。

[星の王子様]の作者たる所以ですね。