バンサンさん

2025年10月21日(火) ブログ

毎日、毎日、ニュースで熊の被害を聞きます。

なんだか…

自身の身の危険に遭遇したならともかく、どうして散歩中の老人や庭の草摘みをしているような穏やかな動きの人間まで襲うようになったのか…

たぶん研究が追いついてない現実かもしれません。

なんだか悲しい…

と、言うのも、古今東西、絵本の中のくまさん、ぬいぐるみやおもちゃの熊さんといえば、子供の人気者の地位をずーーっと維持し続けて来たのですから。

特に世界中で愛される絵本の主人公のくまさんはとっても優しい個、として描かれています。

私達が絵本を集め始めた頃、世界のいろんな絵本作家を知り、魅力に取り憑かれ、夢中で集めた中に…

今、絵本図書館に並べている「芸術としての絵本」、ベルギー、ブリュッセル出身の女性作家ガヴリエル・バンサンさんがおられます。

初めて彼女の作品を知ったのはもちろん、[くまのアーネストおじさんと子ねずみのセレスティーヌ]のシリーズです。

ちょっとワガママで繊細なセレスティーヌに接するアーネストおじさんの優しさ、気遣い…親子じゃない関係がより一層せつなくって愛しい…そんな物語が卓越したデッサン、淡い水彩の色付けで描かれています。

全20冊くらい、ゆう風舎には16冊…

でも、その後、バンサンさんはそれだけではない、社会を静かにみつめ、愛、友情、孤独、老い、死など普遍的なテーマを 言葉ではなく 白黒の鉛筆デッサンで表現した、静かで重い作品を作る人だとわかってきました。

さあ、芸術の秋です。

バンサンさんの作品をじっくり味わうのもなかなかオススメです。