親切な珈琲屋さん

2011年5月14日(土) ブログ
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「スミマセン、コーヒー・ミルが調子悪くなったので、新しいの送っていただきたいんです」
「どんな風になりましたか?」
「モーターの音が変で…。だいぶんずっと使ってましたから…」

昔からお世話になっている珈琲豆屋さんです。
それこそ、遡ること約20年前。
私が明石市の高丘東小学校という所に勤めていた頃です。
当時の教頭先生が大のコーヒー好き。
それで神戸のC・コーヒーという、豆を焙煎するお店のオーナーであるTさんがときどき、放課後に珈琲豆を売りに来ておられたのです。
(どれどれ)と、私も一袋買ってみました。
普通の茶色い珈琲豆と違い、黒光りしたフレンチローストの深炒り豆。
ほろ苦い味は 今でこそ主流になりましたが(オーレによく合う味です)当時はまだ珍しく、すっかり気に入って来られる度に買っては、家で楽しんでいました。
やがて 私は退職。
1年後、喫茶店兼、のゆう風舎を始める時、迷わずTさんに電話をかけ、豆を卸していただくようにお願いしました。
その時に「開店祝いに」と立派な、でもよく古い珈琲専門店にあるのよりはずっと小ぶりで可愛いコーヒーミルを豆と一緒に送って下さったのです。
写真のは2台目です。

その、2台目が今回ダウン。
形は、この古い型が好きだけれど、もう一台買っていた、新しい形のもの(後ろに写っているもの)しか無いかな?と注文したのです。
それがおとついの話。
すると、今日、
「メーカーが治るかもしれないと言っています。送料もこちらで持ちますから送ってみて下さい」
というお手紙…。
なんと…親切なんでしょう。
いくら長いお付き合いといえ、私とこなんてそんなに大きな買い手でもありません。
今までから、お電話を通しての奥様の声も親切で控え目な方を想像できましたが…。
思い出の中の…、職員室のドアのそばにそっとたたずみながら、授業を終えて帰ってくる先生方を待っておられたTさんも無口で穏やかな方でしたが…。

たぶん、新しい方と誤解されてるのかな?(それでももう何年もたっています)
治らないだろうな、と思いつつ、C・コーヒーさんの親切に心温まる気持ちです。
なんでも使い捨ての風潮の中、特に日本では電化製品はたぶんわざと10年くらいで壊れるように作られていますよね?

神戸の路地裏で淡々と丁寧に豆を焙煎し続けておられる(以前、新聞の片隅で紹介されていたのです)Tさんのコーヒーが美味しい訳が判ったような気がします。