厚み

2012年7月24日(火) ブログ
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[マイケル・ジャクソン・コンプリートワークス]を読むと、なぜ、[Thriller]が1億1000枚以上も売れたのか?
なぜ、何度聴いても飽きないのか?と言う理由が判ります。

「魔法をかけたい。ありえない組み合わせを考えたり。意外すぎてみんなの頭がぶっ飛ぶような」
「時代の先にあって、みんなに『こんなの想像もつかなかった』って言わせたい…」
云々の、マイケルが描いた夢や、浮かんだ曲を、飛び抜けた実力を持つ専門家がそれぞれ、自分の最高の力を出した仕事の集大成。
特にプロデューサーだったクインシー・ジョーンズは「彼は重厚で豪華なアレンジやレコーディングを好んだ。彼は音に色や手触りを付けるのが好きなんだ。つまり、似ている音や異質な音をたくさん重ね合わせて、独特の性格を持った音を作るんだ」そうです。

私はこれを読んで、芸術的欲求を掘り下げるためにすることは、音楽でも絵画でも同じだなあ、と思いました。

特に私が学生時代に学んだ日本画では、絵の具の層を何重にも何重にも重ねて、自分の思い描いている色や質感に近づけていくのです。
公募展に出品するような作品は大きな画面ですから、それこそ気の遠くなるような作業です。

これは近代日本画の重鎮、故・高山辰雄氏の作品です。
晩年の作品はますます絵の具の層は深くなり、物や人の形は朦朧としてきて、ただ深い人生観、自然観、内面に迫る思索的な雰囲気がいっそう輝いてきます。

絵画は孤独な独りの作業ですが、マイケルは最後まで、最高のミュージシャンと共に作り上げていったのです。

「人はいつか死ぬけど、作品は永遠に生き続ける」
と、考えて。

なので彼の曲はできるだけ、高音質のプレイヤー、ヘッドホンで聴くことをオススメします。

きっと、なぜ彼の音楽が、国境、人種、宗教、性別、年齢を超えて愛されたのか、判ってもらえると思うのですが…。

新作バッグキットアップしました

2012年7月23日(月) ブログ
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イベントが終わって、やっとキット、アップしました。
どうもスキルが足らなくて、カテゴリーの一番上に新作をもってこれなくて…。
スミマセンが[バッグ・カバンキット]を開けられたら、右上の表示(オススメ順…)を(新着順)にクリックして御覧下さいね。

ところで、昨日、
「夏の作品の主役は男の子が多い」
なんて言いましたが、これは女の子。

実は、私の小さい時の思い出が元になっています。

6人姉弟の一番上だった母は
(結婚して離ればなれになっても、みんな出来るだけ仲良くしたい)
と、お正月にはきょうだいとその家族集まって新年会。
夏には海水浴、と大勢で行きました。
沢山の愉快ないとこたちと遊びほうける、私にとっては夢のような時間です。

ただ、小さい私は達者に泳げるわけではなく、ひたすら波打ち際で砂遊び。
水を含んだ砂を盛り上げては ピチャピチャとたたいて…何を作っていたんですかね?

もちろん、時代が時代。
こんなに可愛らしい女の子ではなく、いわゆる(刈り上げ)ワカメちゃんカット。
母が編んでくれた水着は、海に入ると重くなって、ダラーんと伸び、肩紐の間から乳首が見えてたなあ。

民宿のおばさんが朝採ってくれたトマトの味も忘れられません。

それがまだ原発のなかった福井、京都の海だったのです。

マリン・ブルー

2012年7月22日(日) ブログ
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[リネン&レース展]も終わり、もう後は暑いだけ…
ってことないように、今日、早速朝からショップの模様替え!
(まだ、図書館の方は片付かないままですが)

子供の頃はとにかく“夏”が嬉しく、(海へ、山へ)とワクワクしていたのですから、ね。

そんなわけで、帆船のおもちゃをドーンと真ん中に置いて、マリン、マリンに。

いつもたいてい女の子が主役になりがちな私のキット。
なぜかマリンだと男の子が多いみたいで…。

それにしても、もう夏休みなんですね。
今日は、連れ合いの、そして私の、元同僚の先生方がはるばる来て下さいました(^-^)

ありがとうございました

2012年7月21日(土) ブログ
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今年の[リネン&レース展]も、無事終わらせていただきました。

作品製作協力の皆はもちろん、最近の激しい天候、どしゃ降りの雨の日や、8月を思わせる猛暑日や…
そんな日にも関わらず、観に来て下さった大勢のお客様に、改めて感謝します。
ありがとうございました。

とは言っても、8月半ばのお休みまで、ゆう風舎はいつも通り、絵本の素晴らしさを伝えるべく、手作りの楽しさを手伝うべく、ひととき(魂を休ませ、活力を取り戻して)もらうべく、静かな空間で、美味しいコーヒーとケーキを用意してお待ちしていますね。

作品展にいつも沢山の作品を出して下さる方の旦那様。
ずーと何年も、男の方だし何の関心もないだろうな、と思っていたのに。
進路問題で娘さんとの溝に悩むお知り合いの方に(最近口もきかなくて…と)、
「ゆう風舎って知ってる?
娘さんを誘って、きれいな展示を観て、美味しいケーキを食べながら、ゆっくり話ししてきたら?」
と、言って下さったそうで…!

なんだかご褒美をいただいたような…。
蒸し暑さもものとせず、後片付けです。

出演してくれた人形たちもまたまたお休み…。
それにしても、どんどん増える人形にも困ります(>_<)

三日間だけ

2012年7月19日(木) ブログ
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長い期間のレース展。
スタッフが度々お伝えしているように、ほんの少しディスプレイが変わったり、作品が増えたりしています。

いよいよ、あさって土曜日で今年の幕を下ろしますが、駆け込みで今日、仕上がったワンピース。

本に掲載されていたレースをいっぱい止めつけたリネンのショルダーバッグを作りたかったMさん。
今年入荷した、薔薇の白い刺繍入りリネンは端がスカラップになっていて、残りでサンドレスみたいなのが作れるね、と購入して下さいました。

なんとかバッグは間に合ったのですが、服の方はなかなか手がつけられません。
このリネンに向くデザインがなかなか手持ちの本には見つけにくかったようで。

刺繍もけっこう豪華、スカラップも素敵、しっかりしたリネンはあまりハサミも入れたくありません。

「型紙なんかなくっても、前と後ろにテキトーにタックを入れたら?」
と、提案すると、なかなか感じのいいキャミドレスになりました。

歯科衛生士のお仕事も持って、とっても忙しいMさん。
たった3日だけど、新柄リネンを際立たせた素敵な作品をありがとう。

ちひろさんのドキュメンタリー

2012年7月18日(水) ブログ
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(こどもや赤ちゃんを描かせたら世界一)
と、いわさきちひろさんの事を昔から思っています。

どちらかというと外国の絵本の色彩やユーモラスな(ぬけ感)(洒落っけ)に惹かれる私、特に人物や動物の大胆なデフォルメに感服しまくりの私ですが…。

ちひろさんの絵は違います。
天才的なデッサン、日本的な湿り気のある色彩、可愛さを強調するデフォルメ、etc.
そんなことももちろんですが、やはり一番人の心を打つのは、絵から匂い立つ(子どもへの愛情)でしょう。

そんなちひろさんのドキュメンタリー映画「いわさきちひろ〜27歳の旅立ち〜」のことが、今朝の朝日新聞に載っていました。

監督された海南友子さんは以前は
「かわいい絵の人」
という印象だったそうです。
でも、このドキュメンタリーを作るに当たり、生前のちひろさんを知る人にインタビューしたり、彼女の人生を掘り起こしていった結果、
「働く女性として、芸術家として、人間として強い…子どもが幸せになる社会をつくるんだ、という信念をまげなかった」人、として認識します。

勿論、昔から尊敬していた私は画集も持ち、数冊の本も読みましたが、
(どこで上映するのかな?あ!神戸シネリーヴルでも!)
と、観に行きたく思いましたが、なんと、調べてみると、神戸ではこの日曜日までのようで…。
あきらめないといけません

でも、ひょっとして、(かわいい絵を描く人)とだけ思っておられた人はぜひ観に行ってほしいと思います。

絵にしても、曲にしても、何度触れても(胸がいっぱいになる)というようなものは、決して楽なだけの人生や、偶然の産物なんかじゃない、ということ…当然ですよね。

ところで、優しい黄色で満たされたこの絵。
いらないものを全て取り除いた究極の表現。
私のカメラでも、ちゃんと、お母さんの後ろ姿の輪郭、お母さんの肩をつかむ子どもの指が写っているでしょうか?

またまたアレンジ!

2012年7月17日(火) ブログ

昨日、来店して下さったFさん。
仕事や家事に追われる身に、余計な心配事が重なり…最近元気がなかったのです。

そんなFさんを元気づけようと、娘さん夫婦が連れてきて下さったのです。

「先生のキットに、勝手に風景とかつけたんです」
「きゃあ!また写メールして下さい!」
というわけで、この画像もFさんに代わって、カッコいい若者のお婿さんが送ってくれたもの。

可愛いお孫さんといい、いろんな事、あってもFさんは幸せです。
作品にも出ていますよね。

可愛いお孫さん、といえば、今日はほんの少しだけ、Kさんの孫、OちゃんとHちゃんにマイケルの[ムーンウォーカー]のDVDを見せましたよ。
クレイアニメのところでしたが、二人とも、ちゃんと楽しんでいましたよ。
もちろん、マイケルはそれを願って作ったんですからね。
5才といえば本当に大事な時です。
Oちゃんとはふつーに話ができるようになってきましたよ。

またまたアレンジ!

2012年7月16日(月) ブログ
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(どなたかの暮らしに少しばかり、本当に生かされている…)
この仕事をしていて、心から嬉しく思える瞬間です。

私も実は大好きな[Yu’sバス・バッグ]
小さな女の子のためのピンクバージョンを作って下さっている方がおられますよ。

若いのに、布が大好き、手芸大好きなNさん。
結婚され、可愛い男の赤ちゃんが産まれ…。
お母様と一緒に来て下さる長年のお客様です。

「もう、うちの子は大きくなってしまって、…」
と、バス・バッグは従姉妹の娘さんやお友達の息子さんのためだそうです。

あとはタイヤをつけたら出来上がり、という2つのバス・バッグを見せていただき、なんとも幸せな気分。

夕方来て下さったFさんの家族といい、大人が愛や思いやりをいっぱい表現しておられる中で育つ小さな子供達は やはり愛情豊かな優しい人に育つことでしょう。

ただ残念なことに世間ではそんな家庭ばかりではありません。

[学校]という、子供達には初めての[社会]で体験する(違い)

いろんな話を折に触れて、大人から子供へとしてあげる、まずは必要なことだと思います。

ガーデナー小学校

2012年7月15日(日) ブログ
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このカーテンは、休日出勤してくれたMさんが、
「遅ればせながら…」
と、持ってきてくれたもの。
シンプルな白い透け感のある布が可憐なレースで変身していて素敵です。

なんて、ゆう風舎では平和に[リネン&レース展]を開催していますが、ニュースでは国内でも辛い事ばかり。

大雨の被害は酷すぎますし、そして…(いじめ)

朝日新聞の第一面にも[いじめている君へ]というエッセイの連載が始まっています。
昨日はボクシングの元世界王者、内藤大助さんが自身のいじめられた体験を率直に書いておられたし、今朝は作家で僧侶の玄侑宗久さんと言う方が
「他人に容易に同調するのはやめよう。誇りを持ち、君の意思で君らしい作品(人生)を作り上げていけ。」
と書いておられました。

新聞もいわゆるマスコミの一部ですが、そのマスコミが堂々と1人の人間を(いじめ)る事もあります。

マイケル・ジャクソンの受けた体験も まさしくその一つでしょう。
有罪か無罪かまだ判らない時にどんどん煽りたて、人々に(有罪、変人)というイメージをはりつけ、無罪判決が出た後も 自分達の非を認めるどころか、「スーパースターだから陪審員は惑わされた」と、喧伝していたのですから。

夕べ、見たYou−Tube。

ジャクソン5としてデビューするためにロサンゼルスに出てきて、少しの間だけ通っていたガーデナー小学校。
スーパースターとなったマイケルを記念して講堂を[マイケルジャクソン・オーディトリアム]と名付けて入り口の上面に金属製のプレートをはめ込んだ、その除幕式。
全校生徒の出席の元に行われた式典にマイケルが呼ばれていました。

それが可笑しくて…。
(まだか、まだか…)
と心待ちにする私達(きっと子供達も保護者達も)をよそめに、校長先生、来賓、元担任の先生、それからそれから…延々と続くスピーチは、
(どこの国も同じだなあ)

そこらへんはスキップ機能を駆使して飛ばし、やっとマイケル登場(BAD期の超イケメンマイケル)
誰にも真似できない、優しい声と笑顔で短いお礼スピーチ。
そのあと、子供達の[We Are The World]の大合唱。

そしていよいよ除幕。

ところが1993年。
れいの児童虐待疑惑。
世間の風潮に逆らえず、なんとそのプレートは固い鉄のカバーで覆われてしまったのです。

そして没後の2010年。
世界中のファンのネットを通じての署名活動の結果、そのカバーは取り払われ、再び[MICHAEL JACKSON AUDITRIUM]の文字が太陽の下に輝いたのです。

でもどのファンも
「彼が生きている間に…」と思ったことでしょう。

You-Tubeはこちらです。長いので 真ん中はとばして、観てください(^^)http://www.youtube.com/watch?v=3YfOdQW0Dxc&feature=related

ドラゴン

2012年7月14日(土) ブログ
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土曜日だからでしょうか?
レースや布だけではなく、今日は、絵本を買って下さるお客様が多かったように思います。

そうなんです。
伏線を張るように、いろいろな(マジカルな)絵本がディスプレイされているんですよ。

エロール・ル・カインさんの絵本は特に今回〈キー〉になっています。
題材も絵も独特のマジカルな世界を感じさせるからです。

カインさんはグリム童話もたくさん手がけています。
[いばらひめ]はその代表作の一つ。
一ページ毎に素晴らしい絵が広がります。

ディズニーの[眠れる森の美女]で親しんだ物語ですが、ちょっと違うところもあります。

ディズニーでは3人の陽気なオバサン妖精と、とびっきり怖そうで美しい黒ずくめの魔女マリフィッセント(こんな名だっけ?)が出てきますが、この本には、
「この国には13人の仙女がおりましたが、たまたま王様の手もとには、ごちそうに使う金のさらが12枚しかなかったので、ひとりはおまねきをうけませんでした…」
と、なっています。

そりゃあ、仲間外れにされた13人目の仙女は怒りますよね。
その仙女がまたがっているのは ドラゴン!

(ははあ!)
やっと判りました。
先日来、連れ合いがちょこちょこ苦心して折り曲げたり組み立てたりしていた紙製のドラゴンはこれだったンダ!

ちなみにこれはもちろんキットとして売っているものです。
ドラゴンは黒だけど、レース展会場には白い蝶々やカマキリやいろんなものがいますよ。

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